「陰陽五行思想」とRe:flex Architecture

ITO Japanese Restaurant in Baku

一階レストラン コンセプト「陰陽五行」 南北に長く、四季が明確な日本には、多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきた。このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」は、「和食;日本人の伝統的な食文化」に色濃く息づいており、それはまた日本の空間作りも同様である。両者において共通するのは、「とき(時)」である。自然のなかを通り過ぎてゆく「とき」は、人の「とき」。言い換えれば、すべてが、そこに流れる「いのち」に他ならない。食を味わう「とき」、共に過ごす仲間や家族との「とき」、特別な時間をプレゼントする「とき」。そういった多様な「とき」を有するお客様の「とき」を満たして差し上げるために、日本食の新たな楽しみを創出する「幸品質」な空間が必要であると考えた。 計画地は、アゼルバイジャン共和国の首都バクーの中心にあるニザミストリートに位置し、周りには官庁施設や大使館、銀行などが立ち並んでいる。

    現況

建物は1950年代、旧ソビエト連邦時代に建てられた4階建ての建物の1階、地下1階部分。奥行10m×幅40m、地上地下合わせて800㎡。天井高約4mの一階の様子は、規則的に配された既存アーチの大窓から伺うことができる。

利用客には、大統領や官僚、政治家も含まれることから、セキュリティにも配慮し、エントランスでVIP個室エリアとレストランホールエリアが区分される構成とし、VIPエリアは、古くから引き継がれた形式や技術により生み出された伝統的な和室、ホールエリアは、大きな吹抜けを介した2フロアーからなるインターナショナルZENスタイルを意識したシンプルでモダンな複合レストランとなっている。 本計画では、日本文化を表現するアイデアとして、森羅万象を説く「陰陽五行思想」を導入している。 そして、自然の五元素「木・火・土・金・水」の素材に特徴づけられた五氣の空間が強いアイデンティティを持ち、人と人、人と事(食)、人と空間が一体となるように空間設計を行っている。 木:エントランス、待合

火:厨房​

土:一階ホール(寿司コーナー)、和室

金:地階ホール(鉄板焼コーナー)

水:水庭、酒ラウンジ 木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生じるといった無限の循環法則を陰陽五行思想では「相生(そうしょう)」という。 ここでは、この「相生の法則」にならい、五氣の空間が互いに順応するよう「流点法」を用い、光彩、色彩、質感、ボリュームの調整を行い、さらに空間にグラデーションやレイヤリングを施すことで、流動性、連続性、空間深度の強化を図っている。

地階レストラン

    水庭

 寿司コーナー

VIP用 和室 1&2

VIP用 和室 3

個室

厨房

  WC


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