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光の雨を降らす建築

「どんなディテールで行くか、頭の中に(イメージは)ありますか?」 「(まだ)わからない。(新しいことに取り組むために)過去にやったことの繰り返しはしない。  新しい答えを見つけ出すだけだよ。」 答えを持たずして、答えを導き出す。その姿勢。 ここにあるのは、覚悟でしかない。

それがわかった瞬間が、修業を終わらせるきっかけとなった瞬間。 私の最終修業先アトリエ・ジャン・ヌーヴェルの最新作「ルーブル美術館_アブダビ」 がこの11月にオープンする。 計画段階より、ワクワクしながら見ていた夢のようなプロジェクトが、ようやく実現ですね。 ここでは、イスラム教の宗教的なシンボルでもあるアラベスク(幾何学模様)を用いた大屋根により、大切な収蔵品の劣化を防ぐという機能性、人々が脅威に感じている突き刺さるような強い光から身を守るという安全性への配慮のほか、るという詩的な心理的配慮が伺えます。 ちなみにアラベスク模様はイスラム教徒にとって、目に見える物質世界を超えて広がる無限のパターン、つまり自然界の背後にある秩序と統合のパターンを意味しており、そのパターンは美しく、この自然界の全てを創造する「神の創造」を象徴しています。 常に周りへの配慮を大切にするジャン・ヌーヴェルの仕事は、 インパクトあるヴィジュアルイメージの強度はもちろん、 その裏側にある繊細な人への配慮や、哲学、思想の強度にあり、 その強度のふり幅が作品に深度を与えることとなっている。 このような深度に内在する各要素の関係性に気付くことができたことが、修業時代の財産。 イノベーションスタジオのRe:Flex Architectureの原点は、 日本の神道で語り継がれる三種の神器の一つ「鏡」にあります。 数多くの方がRe:Flex Architectureに触れることにより、 私たちが生きている環境、人と人の関係性について、上質な情報が得られる体験を 提供できればと思っています。

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